自然災害が起きて避難を余儀なくされた人達にとって、避難生活の様々な問題が起こって来ます。
その中でもトイレに関する問題は、道路の寸断や断水の影響で毎回のように言われています。
この記事では、そのトイレ問題を解決するための方法をお伝えします。
緊急時の対策ですが、少し長期になっても活用出来る方法ですので、知識として身に付けておけば、避難生活のトイレ問題はある程度解消出来ると思います。
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トイレ問題は自作で解決
災害時の避難所のトイレは不衛生で、簡易トイレの設置も時間がかかる場合があります。
その避難所の不衛生なトイレを使うにはとても抵抗があると思います。
それを解消するためには、簡易トイレの設置や水の供給があるまでは別のトイレを利用する事が良いと思います。
その別のトイレというのは自作のトイレです。
簡易的な対策ですが、ある程度の期間は対処出来ますので、ぜひ活用してみて下さい。
自衛隊のトイレ作成法を紹介
ここからは簡易的なトイレの作り方を紹介したいと思います。
この作り方を知っておくだけでも避難所のトイレ問題はとりあえず解消出来るのではないかと思いますので、参考にしてもらえればと思います。
実は私は元自衛官なのです。
陸上自衛隊に入隊し、日々厳しい訓練を経験しました。
その自衛隊は、年間に何度か模擬戦闘訓練である演習を行ないます。
敵部隊との戦闘を想定していますので、山の中に何日も入り込んでいます。
山の中には当然トイレなどありません。
しかし、トイレに行かない訳にはいかないので、個人個人でスコップで穴を掘り用を足すのです。(大の場合)
ただ、避難所では個人個人があちこちに穴を掘ってという訳にはいかないと思います。
そこで役立つのが自衛隊のトイレ作成マニュアルです。
実は自衛隊には個人個人が穴を掘る以外に、トイレの作り方についてのちゃんとしたマニュアルがあるのです。
穴を掘るという点は変わりませんが、縦横のサイズなど規格があり、それに沿って穴を掘るというものです。
避難所ではそこまできっちりとサイズを測るまでしなくても良いと思いますが、掘り方などの手順を知っておけば役立つと思います。
トイレ作成の手順
トイレ作成の手順は以下の通りです。
場所の選定
避難所は学校や公民館などだと思いますので、あちこち適当に穴を掘るという訳にはいかないと思います。
管理者の許可を得て、グランドや周辺の原っぱや山など、穴が掘れる土のある場所を選定します。
トイレの穴を掘る
場所の選定が出来たらトイレ用の穴を掘ります。
前述のようにサイズは大体で良いかと思いますが、概ね穴の幅はスコップの掘る部分の幅くらい、長さは1メートル程度、深さはスコップの長さ程度で大丈夫です。
掘るのにスコップの幅より狭いと掘りにくいのと、段々穴が深くなって行くと手が届かなくなるので、トイレの後ろ側に階段を作るようにして掘り進めて行くと、穴が深くなっても掘りやすいです。
掘った際に出て来た土はトイレの前側に積んでおきましょう。
グランドや原っぱなどは表面は硬いですが、掘っていくと段々柔らかくなって行くので、掘りやすくなって来ると思います。
ただし、場所によっては岩盤があったり硬い所もあるので、そういう場所に遭遇してしまったら穴の場所を変えて掘りましょう。
プライバシー確保の作業
トイレ用の穴が出来たら周囲から見えないようにトイレの周りに壁を作ります。
入り口の工夫もして、二重に囲いをするなり扉を作るなりしておきましょう。
作る材料は緊急時ですので、廃材や竹、木の枝、シートやむしろなど、あるもので工夫できると思います。
可能であれば屋根まで作れば雨の日でも安心して使用出来ます。
トイレの使用方法
トイレが完成したら使用するのですが、使用方法はトイレ用の穴をまたいで用を足します。
終わったら穴を掘った時にトイレの前側に積んでおいた土を少しかけて見えなくします。
これで見た目や匂いへの対処が出来ます。
土をかけるのはスコップがあれば良いですが、なければ板切れなどを探して土の所に刺しておけば良いと思います。
また、今そのトイレを誰かが利用しているかどうかをわかるように、何か板のようなものやタオルなどで使用中の表示をするようにしておけば、誰かが利用中に誤って入り口を開けてしまうのを防げます。
トイレの数
トイレは1つでは当然足らないと思いますので、避難者の人数に応じて複数作っておく必要があります。
並列に少し距離を開けて複数作りましょう。
この時、男性用と女性用に分け、女性用は少し離れた場所に作るのが女性も安心出来ると思います。
可能であれば子供用の少し小さめのサイズのものも作ると小さな子供も使いやすいかと思います。
新しいトイレの作成
穴を掘ったトイレは使用人数が多かったり、断水が長引いたりすると、最初のトイレだけでは足らなくなります。
トイレを使用したら土をかけて見えなくしますが、段々土が上部に上がって来ますので、トイレの7割くらいまで土が溜まったら、そのトイレは完全に土で埋めて、次のトイレを使用しましょう。
そのために、最初から次のトイレを作るスペースや場所を確保し、トイレの使用状況に応じて早めに次のトイレを作るようにしましょう。
以上が簡易的なトイレの作り方です。
もし災害派遣で自衛隊が来ていたら頼めば作ってくれるかも知れませんが、自分達で作れるように知っておけば、避難所の不衛生なトイレ状況はあるていど解消でき、そのストレスも軽減できるのではないかと思います。
まとめ
これまでの災害でトイレ問題はいつも挙がっています。
その問題がある程度解消できるだけでも避難所生活のストレスを軽減し、不衛生な状況からも解放されると思います。
トイレの衛生管理やプライバシーの確保、バリアフリー対策、水の供給や排水設備など、多方面からの対策が求められますが、緊急時に物資も届かず、水の供給もない状況では、避難者が協力し、出来る事はやって凌ぐしかありません。
自分達の手でトイレを作って利用出来るようにする事だけでも救助隊やボランティア、災害派遣部隊の到着まで希望が持てるのではないでしょうか。
避難生活は道路の寸断などで長期になる事もあります。
ぜひこの対処法を知っておいて、万が一そういう状況に陥った場合は活用して頂ければと思います。